表3 医療機関での喘息発作に対する薬物療法プラン(2歳未満)

発作型
小発作
中発作
大発作
呼吸不全
初期治療
β2刺激薬吸入 β2刺激薬吸入(反復可*1
酸素投与(SpO
2<95%)
入院
 β2刺激薬吸入反復*1
 酸素投与
 輸液
 ステロイド薬静注
*2
入院
 イソプロテレノール持続吸入*3
 酸素投与
 輸液
 ステロイド薬静注反復
*4
追加治療
β2刺激薬吸入反復*1 (基本的に入院)
ステロイド薬投与*2(静注・経口)
輸液
アミノフィリン持続点滴(考慮)
*5, 6
イソプロテレノール持続吸入*3
ステロイド薬静注反復*4
アミノフィリン持続点滴(考慮)*5, 6
気管内挿管
人工呼吸管理
アミノフィリン持続
点滴(考慮)*5, 6
麻酔薬(考慮)

長期管理でステップ3以上の治療を受けている患者の発作に対しては,1ランク上の治療を考慮する。

[注意事項]
*1 β
2刺激薬吸入は15〜30分後に効果判定し,20〜30分間隔で3回まで反復可能である。大発作以上では必要に応じ随時吸入する。
*2 ステロイド薬は注射薬を10分程度かけて静注または30分かけて点滴静注するか,内服薬を経口投与する。乳児では基本的に入院して行う治療である。全身性ステロイド薬の安易な投与は推奨されない。その使用は,1ヵ月に3日間程度,1年間に数回程度とする。これを超える場合は小児アレルギー専門医を紹介する。
*3 イソプロテレノールを持続的に吸入する。この治療が不可能な施設では,β
2刺激薬吸入を反復する。
*4 症状に応じ,ヒドロコルチゾンは5mg/kgを6〜8時間ごと,またはプレドニゾロンやメチルプレドニゾロンは0.5〜1mg/kgを6〜12時間ごとに使用。
*5 過剰投与にならないように注意。けいれん性疾患のある乳児への投与は原則として推奨されない。発熱時の使用は適用の有無を慎重に考慮する。
*6 本治療は小児喘息の治療に精通した医師の下で行われることが望ましい。


(喘息予防・管理ガイドライン2009.日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会/監修,東京,協和企画,2009より引用)