表4 医療機関での喘息発作に対する薬物療法プラン(2〜5歳および6〜15歳)

2〜5歳
発作型
小発作
中発作
大発作
呼吸不全
初期治療
β2刺激薬吸入 β2刺激薬吸入反復*1
酸素吸入(SpO2<95%で考慮)
入院
β2刺激薬吸入反復*1
酸素吸入,輸液
ステロイド薬静注
*2
アミノフィリン持続点滴
*3
入院
イソプロテレノール持続吸入*4
酸素吸入,輸液
ステロイド薬静注反復
*2
アミノフィリン持続点滴
*3
追加治療
β2刺激薬吸入反復*1 ステロイド薬投与(静注・経口)*2
 and/or
アミノフィリン点滴静注・持続点滴
*3(小児喘息の治療に精通した医師のもとで行われることが望ましい)

外来で上記治療に対する反応を観察し,反応不十分な場合は入院治療考慮
イソプロテレノール持続吸入*4
ステロイド薬静注反復*2
イソプロテレノール持続吸入(イソプロテレノール増量考慮)*4
アシドーシス補正
気管内挿管
人工呼吸管理
麻酔薬(考慮)
6〜15歳
発作型
小発作
中発作
大発作
呼吸不全
初期治療
β2刺激薬吸入 β2刺激薬吸入反復*1
酸素吸入(SpO2<95%で考慮)
入院
β2刺激薬吸入反復*1
酸素吸入,輸液
ステロイド薬静注
*2
アミノフィリン持続点滴
*3
入院
イソプロテレノール持続吸入*4
酸素吸入,輸液
ステロイド薬静注反復
*2
アミノフィリン持続点滴
*3
追加治療
β2刺激薬吸入反復*1 ステロイド薬投与(静注・経口)*2
 and/or
アミノフィリン点滴静注・持続点滴
*3
反応不十分な場合は入院治療考慮
イソプロテレノール持続吸入*4
ステロイド薬静注反復*2
イソプロテレノール持続吸入(イソプロテレノール増量考慮)*4
アシドーシス補正
気管内挿管
人工呼吸管理
麻酔薬(考慮)

・発作を反復している症例では,発作の原因を検討し適切な生活指導を行い,長期管理薬の再検討を行う。
・ステロイド薬の頻回あるいは持続的な全身投与は副作用の恐れがある。短期間で中止すべきであり,漫然とは使用しないことが大切である。必要ならば,小児アレルギーの専門医に紹介する。

*1 β2刺激薬吸入は15〜30分後に効果判定し,20〜30分間で3回まで反復可能である。
*2 全身性ステロイド薬投与;
静注;ヒドロコルチゾン5〜7mg/kg,6時間ごと,またはプレドニゾロン初回1〜1.5mg/kg,以後,0.5mg/kg,6時間ごと。またはメチルプレドニゾロン1〜1.5mg/kgを4〜6時間ごと。
10分程度かけて静注または30分程度かけて点滴静注する。
内服;プレドニゾロン0.5〜1mg/kg/日(分3)。プレドニゾロンの内服が困難な場合はベタメタゾンシロップあるいはデキサメタゾンエリキシル0.05mg(0.5mL)kg/日(分2)。
*3 アミノフィリン点滴静注:30分以上かける。
アミノフィリン持続点滴:テオフィリン血中濃度;8〜15μg/mL
*4 イソプロテレノール持続吸入療法:アスプール
0.5%2〜5mL,またはプロタノール-L10〜25mL+生理食塩水500mL。
無効の場合や呼吸不全では増量も可(例えばアスプール
0.5%10mL+生理食塩水500mLから開始)

(喘息予防・管理ガイドライン2009.日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会/監修,東京,協和企画,2009より引用)