表6 小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン(幼児2〜5歳)

 
ステップ1
ステップ2
ステップ3
ステップ4
基本治療
発作の強度に応じた薬物療法 ・ロイコトリエン受容体拮抗薬*1
 and/or

DSCG*1,5,6
あるいは
吸入ステロイド薬
(考慮)
*2
FP or BDP  50〜100
μg/日,BIS 0.25mg/日)
吸入ステロイド薬*2
(FP or BDP 100〜150 μg/日,BIS 0.5mg/日)
吸入ステロイド薬*2, 4
FP or BDP 150300 μg/日,BIS 1mg/日)
以下の1つまたは複数の併用
・ロイコトリエン受容体拮抗薬
・DSCG
*5, 6
・テオフィリン徐放製剤*3
・長時間作用性β
2刺激薬*6
(貼付/経口/吸入*7
追加治療
・ロイコトリエン受容体拮抗薬*1
 and/or

DSCG*1
テオフィリン徐放製剤*3 以下の1つまたは複数の併用
・ロイコトリエン受容体拮抗薬
・DSCG*5, 6
・テオフィリン徐放製剤
*3
・長時間作用性β
2刺激薬*6
(貼付/経口/吸入*7
 

*1 その他の小児喘息に適応のある抗アレルギー薬:化学伝達物質遊離抑制薬,ヒスタミンH1拮抗薬,Th2サイトカイン阻害薬。
*2 FP:フルチカゾンプロピオン酸エステル,BDP:ベクロメタゾンプロピオン酸エステル,BIS:ブデソニド吸入懸濁液。BISの適応は6ヵ月から5歳未満。
*3 テオフィリン徐放製剤の使用にあたっては,特に発熱時には血中濃度上昇に伴う副作用に注意する。
*4 ステップ4の治療で症状コントロールができないものについては,専門医の管理のもとで経口ステロイド薬の投与を含む治療を行う。
*5 DSCG吸入液をネブライザーで吸入する場合,必要に応じて少量(0.05〜0.1mL)のβ
2刺激薬と一緒に吸入する。
*6 β
2刺激薬は症状がコントロールされたら中止するのを基本とする。
*7 ドライパウダー定量吸入器(DPI)が吸入できる児(DPIの適応は5歳以上)。
付記)サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル配合剤(SFC)の適応は5歳以上である。したがって,5歳においては治療ステップ3(追加治療)から使用可能であるが,エビデンスが不十分なため,本表には記載していない。

(喘息予防・管理ガイドライン2009.日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会/監修,東京,協和企画,2009より引用)