** | 2024年 7月改訂 ( 第6版 ) |
* | 2023年 11月改訂 ( 第5版 ) |
処方箋医薬品 注2)
注2) 注意―医師等の処方箋により使用すること授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている5) 。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に腎機能が低下し本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。非弁膜症性心房細動患者に対して本剤を投与する場合、特に80歳以上の患者に対しては、腎機能低下(血清クレアチニン1.5mg/dL以上)及び体重(60kg以下)に応じて本剤を減量すること。[7.1 参照][16.6.3 参照]
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|---|---|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤の減量(1回10mgの場合は5mg、1回5mgの場合は2.5mg)を考慮すること、あるいは、治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤との併用が適切と考えられない患者には併用しないこと。 |
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖蛋白を同時に強力に阻害するため、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
これらの薬剤のCYP3A4及び/又はP-糖蛋白の阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が減少するおそれがある。 |
これらの薬剤又はセイヨウオトギリソウがCYP3A4及びP-糖蛋白を同時に強力に誘導するため、本剤の代謝及び排出が促進されると考えられる。 |
|
抗血小板薬との併用は、出血リスクが増大することに注意すること。特に抗血小板薬2剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、併用すること。 |
本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。 |
|
これらの薬剤との併用により、出血の危険性が増大する可能性がある。出血の徴候を十分に観察すること。 |
本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。 |
|
** レカネマブ(遺伝子組換え) |
相手薬投与中に脳出血を発現した場合、本剤が出血を助長するおそれがある。併用時には脳出血の副作用に注意すること。 |
相手薬の副作用として脳出血の報告がある。併用により血液凝固阻止剤である本剤が出血を助長する可能性がある。 |
頭蓋内出血(頻度不明)、消化管出血(0.6%)、眼内出血(0.3%)等の出血があらわれることがある。[8.1 参照]
咳嗽、血痰、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。経口抗凝固薬投与後の急性腎障害の中には、血尿を認めるもの、腎生検により尿細管内に赤血球円柱を多数認めるものが報告されている6) ,7) 。
1%以上 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
---|---|---|---|
免疫系障害 |
過敏症(皮疹等の薬物過敏症、アレルギー性浮腫等のアナフィラキシー反応等) |
||
神経系障害 |
味覚異常、くも膜下出血、三叉神経痛 |
脳出血、頭蓋内又は脊髄内出血(硬膜下血腫及び脊髄血腫等) |
|
眼障害 |
眼出血 |
眼充血 |
|
血管障害 |
血腫 |
腹腔内出血 |
|
呼吸器、胸郭及び縦隔障害 |
鼻出血 |
喀血、咳嗽 |
気道出血(肺胞出血、喉頭出血、及び咽頭出血等) |
胃腸障害 |
歯肉出血、胃腸出血、消化不良、便潜血陽性 |
口腔内出血、便秘、腹部不快感、上腹部痛、血便排泄、下痢、逆流性食道炎、悪心 |
直腸出血、痔出血、後腹膜出血、吐血、マロリー・ワイス症候群、出血性消化性潰瘍 |
肝胆道系障害 |
血中ビリルビン増加、γ-GTP増加、肝機能異常 |
||
腎及び尿路障害 |
血尿、尿中血陽性 |
尿中蛋白陽性 |
|
生殖系及び乳房障害 |
前立腺炎、膣出血、不規則月経 |
不正出血、尿生殖器出血、月経過多 |
|
傷害、中毒及び処置合併症 |
挫傷 |
処置後出血 |
外傷性出血、切開部位出血、血管偽動脈瘤 |
皮膚及び皮下組織障害 |
円形脱毛症、そう痒症、紫斑、膿疱性乾癬、顔面腫脹、水疱、点状出血、皮膚びらん |
斑状出血、出血性皮膚潰瘍 |
|
その他 |
初期不眠症、疲労、血小板減少症、血中ブドウ糖変動、高尿酸血症、血中ブドウ糖増加、血中CK増加、末梢性浮腫、動悸 |
適用部位出血、注射部位血腫、血管穿刺部位血腫 |
本剤の過量投与により、出血リスクが増大する。[1.1 参照]
出血の徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、活性炭による処置を考慮すること。
外国人健康成人において、本剤20mgを経口投与後2及び6時間に活性炭を経口投与したとき、アピキサバンのCmaxは変化しなかったが、AUCは約50%及び27%低下し、消失半減期は活性炭非投与時の13.4時間から5.3及び4.9時間に短縮した8)
。
血液透析による除去は有効ではない。
出血した場合には、症状に応じて外科的止血や新鮮凍結血漿の輸注等も考慮すること。[1.1 参照][16.6.1 参照]
健康成人に、アピキサバン2.5及び10mg(各投与量12例)を空腹時に単回経口投与した時、投与後3~3.5時間で最高血漿中濃度に達し、消失半減期は6~8時間であった11) 。
投与量 |
Cmax |
AUC0-∞ |
Tmax |
T1/2 |
2.5 |
52.5 |
466 |
3.50 |
6.12 |
10 |
175.7 |
1628 |
3.00 |
8.11 |
各投与量12例、Cmax及びAUC0-∞は幾何平均値(変動係数%)、Tmaxは中央値(範囲)、※N=10
T1/2は算術平均値(標準偏差)
Cmax:最高血漿中濃度
AUC0-∞:無限大時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積
Tmax:最高血漿中濃度到達時間
T1/2:消失半減期
健康成人6例に、アピキサバン1回2.5、5及び10mg 1日2回反復投与したとき、投与3日目に定常状態に到達し、累積係数は1.7~2.0であった12) 。
軽度(CLcr:51~80mL/min、10例)、中等度(CLcr:30~50mL/min、7例)及び重度(CLcr:15~29mL/min、7例)の腎機能障害を有する被験者への投与において、アピキサバンのAUCは、正常なCLcrの被験者と比較して、それぞれ16、29及び44%増加した(回帰モデルによる推定値)22)
(外国人データ)。
末期腎疾患(ESRD)を有する被験者に血液透析直後にアピキサバン5mgを単回投与したとき、AUCは腎機能が正常な被験者と比較して36%増加した。ESRDを有する被験者にアピキサバン5mgを単回投与し2時間後に血液透析を行ったとき、血液透析直後にアピキサバンを投与した場合と比較してAUCは14%減少し、アピキサバンの透析クリアランスは18mL/minであった23)
(外国人データ)。[13.2 参照]
軽度(Child-Pugh A)及び中等度(Child-Pugh B)の肝機能障害被験者(各8例)及び健康成人(16例)にアピキサバン5mgを単回経口投与したとき、肝障害被験者及び健康成人の薬物動態は類似していた24) (外国人データ)。
21~40歳の男女40例及び65~79歳の男女39例にアピキサバン20mg注)を単回投与したとき、Cmaxに年齢の影響は認められなかったが、AUCは高齢者でやや高い値(32%)を示した。[9.8 参照]
また、女性被験者のCmax及びAUCは男性被験者と比較して、約18%及び約15%高かった25)
(外国人データ)。
体重50kg以下(18例)、65~85kg(18例)、及び120kg以上(19例)の被験者55例にアピキサバン10mgを単回投与したときのCmax及びAUCは、65~85kg群と比較して50kg以下群では約30%及び約20%高く、120kg以上群では約30%及び約20%低かった26) (外国人データ)。
健康成人18例を対象に、CYP3A4及びP-糖蛋白の強力な阻害剤であるケトコナゾール(1回400mg 1日1回経口投与)とアピキサバン(10mg単回投与)を併用投与したとき、アピキサバンのAUC及びCmaxの平均値は、アピキサバン単独投与と比較して、それぞれ2及び1.6倍増加した27) (外国人データ)。[10.2 参照]
健康成人18例を対象に、ジルチアゼム(1回360mg 1日1回投与)とアピキサバン(10mg単回投与)を併用投与したとき、アピキサバンのAUC及びCmaxの平均値は、アピキサバン単独投与と比較して、それぞれ1.4及び1.3倍増加した27) (外国人データ)。[10.2 参照]
健康成人21例を対象に、ナプロキセン(500mg単回投与)とアピキサバン(10mg単回投与)を併用投与したとき、アピキサバンのAUC及びCmaxの平均値は、アピキサバン単独投与と比較して、それぞれ1.5及び1.6倍増加した28) (外国人データ)。[10.2 参照]
健康成人20例を対象に、リファンピシン(1回600mg 1日1回投与)とアピキサバン(10mg単回投与)を併用投与したとき、アピキサバンのAUC及びCmaxの平均値は、アピキサバン単独投与と比較して、それぞれ54%及び42%減少した29) (外国人データ)。[10.2 参照]
健康成人20例を対象に、エノキサパリン(40mg単回投与)とアピキサバン(5mg単回投与)を併用投与したとき、Xa因子の阻害は相加的であった30) (外国人データ)。[10.2 参照]
健康成人40例を対象に、アピキサバン1回50mg注)1日1回3日間投与したとき、プラセボで補正したQTc間隔は延長しなかった31)
(外国人データ)。
注:本剤の承認用量は、非弁膜症性心房細動には1回2.5mg又は5mgを1日2回、静脈血栓塞栓症には1回10mgを1日2回7日間投与後1回5mgを1日2回投与である。
非弁膜症性心房細動患者18,201例(日本人336例を含む)を対象に、アピキサバン5mg 1日2回(以下、5mg BID)(ただし、血清クレアチニン1.5mg/dL以上、体重60kg以下、年齢80歳以上の3項目のうち2項目を満たす患者は2.5mg 1日2回(以下、2.5mg BID))、又は対照薬としてワルファリン(PT-INR 2.0~3.0となるように適宜調節)を投与した二重盲検群間比較試験(ARISTOTLE試験)を実施し、主要有効性評価項目である脳卒中(虚血性、出血性、及び特定不能)又は全身性塞栓症の初回発現までの期間を指標にアピキサバンのワルファリンに対する非劣性を検証した(非劣性マージン=1.38及び有意水準0.025(片側))。[7.1 参照]
Intention-to-treat集団を対象に解析した結果、発現率はアピキサバン群1.27%/年に対しワルファリン群1.60%/年であり、有効性に関してワルファリンに対し21%の抑制(ハザード比(HR)0.79、95%信頼区間(CI)0.66~0.95)が確認され、本剤の非劣性が確認された。また、全死亡の発現率は、アピキサバン群で3.52%/年、ワルファリン群で3.94%/年であった(HR 0.89、95%CI 0.80~1.00)。
一方、出血性イベント(ISTH基準の大出血)の発現率は、アピキサバン群2.13%/年に対してワルファリン群3.09%/年であり、アピキサバンはワルファリンに比べ減少した(HR 0.69、95%CI 0.60~0.80)。また、アピキサバンとアスピリンの併用により、出血リスクは1.8%/年から3.4%/年へ増大、ワルファリンとアスピリンの併用により、2.7%/年から4.6%/年へ増大することが示された32)
,33)
。
アピキサバン群における副作用発現頻度は、27.8%(2,524/9,088例)であった。主な副作用は、鼻出血5.0%(456/9,088例)、血尿2.6%(234/9,088例)、挫傷1.7%(151/9,088例)、血腫1.4%(129/9,088例)及び貧血1.1%(103/9,088例)であった。
主要有効性/ |
イベント発現例数/患者数 |
ハザード比 |
|
アピキサバン |
ワルファリン |
||
脳卒中/全身性塞栓症 |
212/9120 |
265/9081 |
0.79 |
全死亡 |
603/9120 |
669/9081 |
0.89 |
ISTH基準の大出血 |
327/9088 |
462/9052 |
0.69 |
10/9088 |
37/9052 |
- |
|
52/9088 |
122/9052 |
- |
|
118/9088 |
130/9052 |
- |
日本人集団においては、有効性イベント(脳卒中/全身性塞栓症)の発現率は、アピキサバン群3/161例(0.87%/年)、ワルファリン群6/175例(1.67%/年)であった。また、安全性に関して、出血性イベント(ISTH基準の大出血)の発現率は、アピキサバン群4/160例(1.26%/年)、ワルファリン群18/175例(5.99%/年)であり、日本人集団においてもアピキサバン群はワルファリン群に比べ、大出血の年間イベント発現率は低かった。また、これらの結果は、全体の結果と比較して同様の傾向がみられた。
日本人集団のアピキサバン群における副作用発現頻度は、28.1%(45/160例)であった。主な副作用は、鼻出血6.9%(11/160例)、皮下出血5.0%(8/160例)、結膜出血2.5%(4/160例)、挫傷、皮下血腫、便潜血及び血尿 各1.9%(3/160例)であった。
主要有効性/ |
イベント発現例数/患者数 |
|
アピキサバン |
ワルファリン |
|
脳卒中/全身性塞栓症 |
3/161 |
6/175 |
全死亡 |
6/161 |
11/175 |
ISTH基準の大出血 |
4/160 |
18/175 |
0/160 |
2/175 |
|
0/160 |
6/175 |
|
2/160 |
6/175 |
非弁膜症性心房細動患者222例を対象としてアピキサバン(2.5mg BID、あるいは5mg BID)についてワルファリン(PT-INR 2.0~3.0となるように適宜調節)を対照薬として12週間投与で行われた部分盲検比較試験(アピキサバン2用量群は二重盲検、ワルファリン群は非盲検)(ARISTOTLE-J試験)で、安全性主要評価項目である大出血、臨床的に重要な非大出血(CRNM)の複合評価項目の発現割合を解析したところ、アピキサバン2.5mg BID群1/72例(1.4%)、アピキサバン5mg BID群1/71例(1.4%)で、ワルファリン群4/75例(5.3%)と比較して本剤で低かった。なお、全ての有害事象の発現割合は各群間に差は認められなかった。また、有効性に関して、脳卒中は、ワルファリン群で3/74例(4.1%)に対してアピキサバン群では発現はなかった。全身性塞栓症、心筋梗塞、全死亡イベントに関しては、アピキサバン群、ワルファリン群ともに発現しなかった34)
。
アピキサバン2用量群における副作用発現頻度は、23.8%(34/143例)であった。主な副作用は、鼻出血3.5%(5/143例)、尿中血陽性2.1%(3/143例)であった。
急性症候性静脈血栓塞栓症(VTE)患者80例を対象に、アピキサバン10mg BID 7日間投与後、アピキサバン5mg BID、又は対照薬としてヘパリン(UFH)を5日間以上及びワルファリン(PT-INR 1.5~2.5になるように適宜調整)を6ヵ月間投与した注1)非盲検群間比較試験(AMPLIFY-J試験)を実施した。
注1)非経口抗凝固薬による前治療として1日1回投与のフォンダパリヌクスは2回まで、36時間を超えないUFHの持続静注を可とした。治験薬投与開始日までに非経口抗凝固薬が用いられた患者数は、アピキサバン群40例中30例、UFH/ワルファリン群39例中39例であった。
また、VTE治療の補助療法として無作為化時に下大静脈フィルターが留置されていた患者数は、アピキサバン群40例中5例(深部静脈血栓症(DVT)2例、肺血栓塞栓症(PE)3例)、UFH/ワルファリン群40例中6例(DVT4例、PE2例)であった。[5.2 参照]
主要安全性評価項目である大出血/CRNMの複合評価項目の発現割合を解析したところ、アピキサバン群3/40例(7.5%)、UFH/ワルファリン群11/39例(28.2%)で、アピキサバン群で低かった。また、有効性に関して、VTE/VTE関連死の発現割合は、UFH/ワルファリン群1/40例(2.5%)に対し、アピキサバン群での発現はなかった35)
。
アピキサバン群における副作用発現頻度は、32.5%(13/40例)であった。主な副作用は、鼻出血7.5%(3/40例)であった。
有効性/ |
イベント発現例数/患者数(発現割合) |
|
アピキサバン |
UFH/ワルファリン |
|
VTE/VTE関連死 |
0/38(0%) |
1/40(2.5%) |
大出血/CRNM |
3/40(7.5%) |
11/39(28.2%) |
0/40(0%) |
2/39(5.1%) |
|
3/40(7.5%) |
9/39(23.1%) |
|
小出血 |
6/40(15.0%) |
10/39(25.6%) |
全出血 |
7/40(17.5%) |
17/39(43.6%) |
急性症候性静脈血栓塞栓症患者5,395例を対象に、アピキサバン10mg BID 7日間投与後、アピキサバン5mg BID、又は対照薬としてエノキサパリン5日間以上投与及びワルファリン(PT-INR 2.0~3.0になるように適宜調整)を6ヵ月投与した注2)二重盲検群間比較試験(AMPLIFY試験)を実施した。
注2)非経口抗凝固薬による前治療として1日1回投与のフォンダパリヌクス又はエノキサパリンは2回まで、1日2回投与のエノキサパリンは3回まで、36時間を超えないUFHの持続静注を可とした。ランダム化前に非経口抗凝固薬が投与されなかった患者数(前治療なし)は、アピキサバン群2,691例中358例、エノキサパリン/ワルファリン群2,704例中381例であり、非経口抗凝固薬が投与された患者数(前治療あり)は、アピキサバン群2,691例中2,327例、エノキサパリン/ワルファリン群2,704例中2,317例であった。
主要有効性評価項目である症候性VTEの再発又はVTE関連死の発現割合を指標にアピキサバンのエノキサパリン/ワルファリンに対する非劣性が検証された。
一方、出血性イベント(ISTH基準の大出血)の発現割合は、アピキサバン群0.56%に対しエノキサパリン/ワルファリン群1.82%であり、アピキサバン群はエノキサパリン/ワルファリン群に比べ69%減少した(相対リスク(RR)0.31 95%CI 0.17~0.55、p<0.0001)36)
。
アピキサバン群における副作用発現頻度は、19.4%(520/2,676例)であった。主な副作用は、鼻出血2.4%(63/2,676例)、挫傷1.3%(34/2,676例)、月経過多1.2%(33/2,676例)及び血尿1.2%(32/2,676例)であった。
主要有効性/ |
イベント発現例数/患者数 |
相対リスク |
|
アピキサバン |
エノキサパリン/ワルファリン |
||
VTE/VTE関連死a) |
59/2609 |
71/2635 |
0.84 |
21/900 |
23/886 |
0.90 |
|
38/1698 |
47/1736 |
0.83 |
|
ISTH基準の大出血 |
15/2676 |
49/2689 |
0.31 |
大出血/CRNM |
115/2676 |
261/2689 |
0.44 |
全出血 |
402/2676 |
676/2689 |
0.59 |
a)非劣性の許容限界は相対リスク1.8と設定した。
b)対象イベントが判定されなかった患者については、PE(肺血栓塞栓症)及びDVT(深部静脈血栓症)別の部分集団には含めなかった。
アピキサバンは外因性及び内因性血液凝固経路の収束点である第Xa因子を阻害することにより、その下流のプロトロンビンからトロンビンへの変換を抑制し、直接的な抗血液凝固作用及び間接的な抗血小板作用を示す。
アピキサバンは直接的なトロンビン阻害作用及び抗血小板作用はないが、トロンビン産生低下作用により組織因子で惹起した血小板凝集を間接的に抑制し、IC50は3.5nmol/Lであった39) 。
アピキサバン(Apixaban)
1-(4-Methoxyphenyl)-7-oxo-6-[4-(2-oxopiperidin-1-yl)phenyl]-4,5,6,7-tetrahydro-1H-pyrazolo[3,4-c]pyridine-3-carboxamide
C25H25N5O4
459.50
アピキサバンは白色~微黄色の粉末である。
ジメチルスルホキシドにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
1) 社内資料:マウスを用いた生殖発生毒性試験(2012年12月25日承認、CTD 2.6.6.6)
2) 社内資料:妊娠ラットを用いた組織分布試験(2012年12月25日承認、CTD 2.6.4.4)
3) 社内資料:ラットを用いた生殖発生毒性試験(2012年12月25日承認、CTD 2.6.6.6)
4) 社内資料:ウサギを用いた生殖発生毒性試験(2012年12月25日承認、CTD 2.6.6.6)
5) 社内資料:授乳ラットを用いた組織分布試験(2012年12月25日承認、CTD 2.6.4.4)
6) *Brodsky S, et al.:J Am Soc Nephrol. 2018;29:2787-2793
7) *Zakrocka I, et al.:Adv Clin Exp Med. 2022;31:165-173
8) 社内資料:外国人健康成人被験者における活性炭投与試験(2012年12月25日承認、CTD 2.7.6)
9) Alexander JH, et al.:N Engl J Med. 2011;365(8):699-708
10) Pengo V, et al.:Blood. 2018;132:1365-1371
11) 社内資料:日本人及び外国人健康成人被験者における単回投与試験(2012年12月25日承認、CTD 2.7.6)
12) Yamahira N, et al.:Int J Clin Pharmacol Ther. 2014;52(7):564-573
13) Song Y, et al.:Clin Ther. 2016:38(7):1674-1685
14) 社内資料:アピキサバン静脈内投与を含むリファンピシンとの相互作用(2012年12月25日承認、CTD 2.7.2.2)
15) 社内資料:静脈内投与試験(2012年12月25日承認、CTD 2.7.2.2)
16) 社内資料:マスバランス試験(2012年12月25日承認、CTD 2.7.2.2)
17) 社内資料:ヒトでの蛋白結合率(2012年12月25日承認、CTD 2.6.4.4)
18) 社内資料:ヒトでの代謝(2012年12月25日承認、CTD 2.6.4.5)
19) 社内資料:代謝に関与する酵素の検討(2012年12月25日承認、CTD 2.6.4.5)
20) 社内資料:ヒトでの排泄(2012年12月25日承認、CTD 2.6.4.6)
21) 社内資料:膜透過性(in vitro)(2012年12月25日承認、CTD 2.6.4.3)
22) Chang M, et al.: J Clin Pharmacol. 2016;56(5):637-645
23) Wang X, et al.:J Clin Pharmacol. 2016;56(5):628-636
24) 社内資料:肝機能の影響試験(2012年12月25日承認、CTD2.7.2.2)
25) Frost CE, et al.:Clin Pharmacokinet. 2015;54(6):651-662
26) Upreti VV, et al.:Br J Clin Pharmacol. 2013;76(6):908-916
27) Frost CE, et al.:Br J Clin Pharmacol. 2015;79(5):838-846
28) Frost C, et al.:Br J Clin Pharmacol. 2014;78(4):877-885
29) Vakkalagadda B, et al.:Am J Cardiovasc Drugs. 2016;16:119-127
30) Barrett YC, et al.:Thromb Haemost. 2012;107(5):916-924
31) Frost C, et al.:J Clin Pharmacol. 2015;55(5):549-555
32) 社内資料:非弁膜症性心房細動患者におけるワルファリンを対照とした国際共同第3相試験(ARISTOTLE試験)(2012年12月25日承認、CTD2.7.6)
33) Granger CB, et al.:N Engl J Med. 2011;365(11):981-992
34) Ogawa S, et al.:Circ J. 2011;75(8):1852-1859
35) Nakamura M, et al.:Circ J. 2015;79(6) :1230-1236
36) Agnelli G, et al.:N Engl J Med. 2013;369(9):799-808
37) 社内資料:トロンビン産生に対する作用(2012年12月25日承認、CTD 2.6.2.2)
38) 社内資料:血液凝固に対する作用(2012年12月25日承認、CTD2.6.2.2)
39) 社内資料:血小板凝集に対する作用(2012年12月25日承認、CTD2.6.2.2)
40) 社内資料:血栓及び出血モデルラットにおける作用(2012年12月25日承認、CTD2.6.2.2)
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