** | 2025年 5月改訂 ( 第4版 ) |
* | 2024年 5月改訂 |
処方箋医薬品 注4)
注4) 注意―医師等の処方箋により使用すること本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、大腸菌、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ、梅毒トレポネーマ
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、淋菌感染症、梅毒、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、涙嚢炎、麦粒腫、中耳炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、猩紅熱、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、大腸菌、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ、梅毒トレポネーマ
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、淋菌感染症、梅毒、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、涙嚢炎、麦粒腫、中耳炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、猩紅熱、胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症
腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用すること。血中濃度が持続する。[16.6.1 参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。なお、動物試験(ラット)において、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、クラリスロマイシン(160mg/kg/日)及びランソプラゾール(50mg/kg/日)を併用投与すると、母動物での毒性の増強とともに胎児の発育抑制の増強が認められている。また、ラットにアモキシシリン水和物(400mg/kg/日以上)、クラリスロマイシン(50mg/kg/日以上)及びラベプラゾールナトリウム(25mg/kg/日)を4週間併用投与した試験で、雌で栄養状態の悪化が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている。[16.3.1 参照]
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|---|---|
ワルファリンカリウム |
ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがある。 |
腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある。 |
経口避妊薬 |
経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。 |
腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。 |
プロベネシド |
本剤の血中濃度を増加させる。 |
本剤の尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させると考えられている。 |
**メトトレキサート |
メトトレキサートの副作用を増強させるおそれがある。 |
メトトレキサートの尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させると考えられている。 |
呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等を起こすことがあるので、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[2.1 参照],[8.2 参照],[9.1.1 参照]
*投与から数時間以内の反復性嘔吐を主症状とし、下痢、嗜眠、顔面蒼白、低血圧、腹痛、好中球増加等を伴う、食物蛋白誘発性胃腸炎に類似したアレルギー性の胃腸炎(Drug-induced enterocolitis syndrome)があらわれることがある。主に小児で報告されている。[2.1 参照],[8.2 参照],[9.1.1 参照]
発熱、頭痛、関節痛、皮膚や粘膜の紅斑・水疱、膿疱、皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
黄疸(0.1%未満)、AST、ALTの上昇(各0.1%未満)等があらわれることがある。[8.4 参照]
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。[8.5 参照]
偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎があらわれることがある。
0.1〜5%未満 |
0.1%未満 |
頻度不明 |
|
---|---|---|---|
過敏症 |
発疹 |
発熱 |
そう痒 |
血液 |
好酸球増多 |
||
消化器 |
下痢、悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛 |
黒毛舌 |
|
**皮膚 |
線状IgA水疱症 |
||
菌交代症 |
口内炎、カンジダ症 |
||
ビタミン欠乏症 |
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等) |
||
その他 |
梅毒患者において、ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応(発熱、全身倦怠感、頭痛等の発現、病変部の増悪)が起こることがある。 |
5%以上 |
1〜5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
---|---|---|---|---|
消化器 |
下痢(15.5%)、軟便(13.5%)、味覚異常 |
腹痛、腹部膨満感、口内炎、便秘、食道炎 |
口渇、悪心、舌炎、胃食道逆流、胸やけ、十二指腸炎、嘔吐、痔核、食欲不振 |
黒毛舌 |
肝臓 |
AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇 |
Al-P上昇、ビリルビン上昇 |
||
血液 |
好中球減少、好酸球増多 |
貧血、白血球増多 |
||
過敏症 |
発疹 |
そう痒 |
||
精神神経系 |
頭痛、しびれ感、めまい、眠気、不眠、うつ状態 |
|||
その他 |
尿蛋白陽性、トリグリセリド上昇、総コレステロールの上昇・低下 |
尿糖陽性、尿酸上昇、倦怠感、熱感、動悸、発熱、QT延長、カンジダ症、浮腫、血圧上昇、霧視 |
カプセル250mg(力価)を健康成人へ空腹時単回投与すると、3.68μg/mLの最高血清中濃度が得られた2) 。
測定時間 |
30分 |
1時間 |
2時間 |
4時間 |
6時間 |
血清中濃度(μg/mL) |
1.06 |
3.44 |
3.68 |
1.23 |
0.32 |
測定症例数 |
46 |
56 |
56 |
54 |
54 |
健康成人6例にアモキシシリン水和物として1回1,000mg(力価) 注1) 、クラリスロマイシンとして1回400mg(力価)及びランソプラゾールとして1回30mgの3剤を同時に経口投与したとき、アモキシシリン水和物の薬物動態学的パラメータ(絶食下)は下表のとおりである。
Tmax(hr) |
Cmax(μg/mL) |
t1/2(hr) |
AUC(μg・hr/mL) |
1.67±0.52 |
10.05±1.62 |
1.0±0.2 |
29.04±7.15 |
Mean±S.D. |
---|
なお、3剤併用時の3剤各々の血中濃度は単独投与時の血中濃度とほぼ同様の推移を示す。
また、健康成人7例に3剤を同様の用量で同時に1日2回7日間反復経口投与したとき、薬物動態に変化は認められていない。
健康成人にアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回400mg(力価)及びオメプラゾールとして1回20mgの3剤を同時に1日2回7日間反復経口投与した場合、最終投与後のアモキシシリン水和物の血中濃度パラメータは下表のとおりである。
Tmax(hr) |
Cmax(μg/mL) |
t1/2(hr) |
AUC0〜∞(μg・hr/mL) |
4.2±1.1 |
5.6878±1.7574 |
1.15±0.14※ |
27.069±10.002※ |
n=11(※:n=3) |
---|
健康成人にアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回400mg(力価)及びラベプラゾールナトリウムとして1回20mg
注2)
の3剤を同時に1日2回7日間反復経口投与した場合、最終投与後のアモキシシリン水和物の血中濃度パラメータは下表のとおりである。
ただし、投与第1日目及び第7日目は1日1回朝経口投与(絶食下)とした(計12回)。
Tmax(hr) |
Cmax(μg/mL) |
t1/2(hr) |
AUC0〜12(μg・hr/mL) |
1.63±0.37 |
9.86±2.79 |
1.09±0.19※ |
25.82±5.41※ |
n=19(※:n=16) |
---|
ヒトの血中及び尿中には抗菌活性代謝物質を認めなかった5) 。
本剤250mg(力価)を空腹時単回投与したときの最高血中濃度は腎機能正常例(2例)の3.5μg/mLに対し、慢性腎不全例(5例)では7.7μg/mLとなり、半減期はそれぞれ0.97時間、12.6時間であった7) 。[9.2.1 参照]
1,335例の一般臨床試験(カプセル、細粒)における成績概要は次のとおりである。また、3種の二重盲検比較試験においても本剤の有用性が認められている8) 。
疾患名 |
有効率 |
||
有効以上(%) |
やや有効以上(%) |
||
皮膚感染症 |
表在性皮膚感染症(毛嚢炎、膿痂疹) |
23/35(65.7) |
34/35(97.1) |
深在性皮膚感染症(せつ、ひょう疽、蜂窩織炎等) |
52/68(76.5) |
59/68(86.8) |
|
リンパ管・リンパ節炎 |
8/9(88.9) |
8/9(88.9) |
|
慢性膿皮症(感染粉瘤、膿瘍、膿皮症、ざ瘡) |
19/29(65.5) |
25/29(86.2) |
|
外科・整形外科領域感染症 |
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染 |
11/20(55.0) |
15/20(75.0) |
びらん・潰瘍の二次感染 |
3/7(42.9) |
5/7(71.4) |
|
乳腺炎 |
7/10(70.0) |
8/10(80.0) |
|
骨髄炎 |
6/9(66.7) |
6/9(66.7) |
|
呼吸器感染症 |
咽頭炎 |
9/10(90.0) |
9/10(90.0) |
扁桃炎 |
80/95(84.2) |
82/95(86.3) |
|
気管支炎 |
34/44(77.3) |
38/44(86.4) |
|
肺炎 |
58/68(85.3) |
61/68(89.7) |
|
尿路感染症 |
膀胱炎 |
215/270(79.6) |
217/270(80.4) |
腎盂腎炎(腎盂腎炎、腎盂炎) |
41/63(65.1) |
43/63(68.3) |
|
前立腺炎 |
16/19(84.2) |
16/19(84.2) |
|
精巣上体炎(副睾丸炎) |
2/2(-) |
2/2(-) |
|
淋菌感染症 |
59/68(86.8) |
59/68(86.8) |
|
婦人科感染症 |
子宮内感染 |
27/35(77.1) |
27/35(77.1) |
子宮付属器炎 |
31/38(81.6) |
32/38(84.2) |
|
子宮旁結合織炎 |
2/4(-) |
2/4(-) |
|
眼科感染症 |
涙嚢炎 |
2/4(-) |
4/4(-) |
麦粒腫 |
20/32(62.5) |
26/32(81.3) |
|
耳鼻科感染症 |
中耳炎 |
44/54(81.5) |
45/54(83.3) |
歯科・口腔外科領域感染症 |
歯周組織炎(歯槽骨炎、歯根膿瘍) |
11/14(78.6) |
11/14(78.6) |
歯冠周囲炎(智歯周囲炎) |
9/14(64.3) |
12/14(85.7) |
|
顎炎(顎骨周囲炎、急性顎炎) |
12/18(66.7) |
16/18(88.9) |
|
猩紅熱 |
42/43(97.7) |
43/43(100) |
ヘリコバクター・ピロリ陽性の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の患者を対象とした除菌の臨床試験(アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾールの3剤療法)における除菌※率は下表のとおりである。
※培養法及び組織診断法の結果がいずれも陰性
各薬剤の1回投与量 |
投与回数 |
除菌率 |
アモキシシリン水和物 750mg(力価) |
2回/日 |
87.5% |
アモキシシリン水和物 750mg(力価) |
2回/日 |
89.2% |
除菌率は基本解析対象集団を対象とした |
---|
各薬剤の1回投与量 |
投与回数 |
除菌率 |
アモキシシリン水和物 750mg(力価) |
2回/日 |
91.1% |
アモキシシリン水和物 750mg(力価) |
2回/日 |
83.7% |
除菌率は基本解析対象集団を対象とした |
---|
臨床検査値の異常変動を含む副作用は、430例中217例(50.5%)に認められた。主な副作用は、軟便59例(13.7%)、下痢38例(8.8%)であった。
なお、米国及び英国で行われたヘリコバクター・ピロリ陽性の十二指腸潰瘍等に対する除菌の臨床試験
注1)
においても、同程度の除菌率が認められている。
臨床検査値の異常変動を含む副作用は、548例中179例(32.7%)に認められている。
ヘリコバクター・ピロリ陽性の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の患者を対象とした国内の臨床試験における除菌率は下表のとおりである。
各薬剤の1回投与量 |
投与回数 |
除菌率 |
||
胃潰瘍 |
十二指腸潰瘍 |
計 |
||
アモキシシリン水和物 750mg(力価) |
2回/日 |
75.9% |
81.8% |
78.8% |
( )内は例数 |
---|
臨床検査値の異常変動を含む副作用は、113例中67例(59.3%)に認められた。主な副作用は、下痢24例(21.2%)、軟便21例(18.6%)であった。
なお、海外において、活動期又は瘢痕期の十二指腸潰瘍患者、活動期の胃潰瘍患者を対象とした試験
注2)
においても、同程度の除菌率が得られている。
ヘリコバクター・ピロリ陽性の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の患者を対象とした国内の臨床試験における除菌率は下表のとおりである。
各薬剤の1回投与量 |
投与回数 |
除菌率 |
||
胃潰瘍 |
十二指腸潰瘍 |
計 |
||
アモキシシリン水和物 750mg(力価) |
2回/日 |
87.7% |
83.3% |
85.7% |
アモキシシリン水和物 750mg(力価) |
2回/日 |
89.7% |
87.8% |
89.0% |
( )内は例数 |
---|
臨床検査値の異常変動を含む副作用は、252例中95例(37.7%)に認められた。主な副作用は、下痢42例(16.7%)、軟便26例(10.3%)であった。
なお、海外で行われたヘリコバクター・ピロリ陽性の胃・十二指腸潰瘍等に対する除菌の臨床試験
注3)
においても、同程度の除菌率が得られている。
アモキシシリン水和物(Amoxicillin Hydrate)
(2S,5R,6R)-6-[(2R)-2-Amino-2-(4-hydroxyphenyl)acetylamino]-3,3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylic acid trihydrate
C16H19N3O5S・3H2O
419.45
アモキシシリン水和物は白色〜淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。水又はメタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくい。
約195℃(分解)
AMPC
1) 厚生労働省健康局結核感染症課編: 抗微生物薬適正使用の手引き[R-07700]
2) 松本文夫: 第21回日本化学療法学会総会シンポジウム Amoxycillin, 1973[SAW-05134]
3) 古谷 博 他: 日本化学療法学会雑誌 1973; 21(8): 1752-1758[SAW-00180]
4) 青河寛次 他: 日本化学療法学会雑誌 1973; 21(8): 1780-1786[SAW-00184]
5) 村川武雄 他: 日本化学療法学会雑誌 1973; 21(8): 1399-1408[SAW-00115]
6) 古沢悌二 他: 日本化学療法学会雑誌 1973; 21(8): 1624-1628[SAW-00161]
7) 楠 信男 他: 日本化学療法学会雑誌 1978; 26(3): 311-316[SAW-00744]
8) 日本化学療法学会雑誌 1973; 21(8)を中心に集計
9) 三橋 進 他: 日本化学療法学会雑誌 1973; 21(8): 1355-1358[SAW-00113]
10) 小酒井望 他: 日本化学療法学会雑誌 1973; 21(8): 1359-1368[SAW-00133]
LTLファーマ株式会社 コールセンター
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6丁目10番1号
フリーダイヤル0120-303-711
LTLファーマ株式会社
東京都新宿区西新宿6丁目10番1号